Lesson 5 Net と .NET

4. ウェブ・ディレクトリ

WiX ツールセットの追加のライブラリの中には、 IIS のウェブ・ディレクトリを作成するような付加的な仕事をインストーラが実行出来るようにするものもあります。 このような拡張機能は、適切な WiX ライブラリをリンクするだけで使用出来ます。 リンカが、必要なヘルパー DLL を自動的にインストーラ・パッケージに含めてくれます。

最初に、ウェブ・サイトと、それに所属するファイルを作らなければなりません。

<Directory Id='TARGETDIR' Name='SourceDir'>
  <Directory Id='ProgramFilesFolder' Name='PFiles'>
    <Directory Id='InstallDir' Name='Piyo'>
      <Component Id='default.phpComponent'
          Guid='YOURGUID-5314-4689-83CA-9DB5C04D5742'>
        <File Id='default.htmFile' Name='default.htm'
            Source='default.htm' DiskId='1' KeyPath='yes' />
      </Component>
    </Directory>
  </Directory>

次のステップは、仮想ディレクトリの作成です。

  <Component Id='TestWebVirtualDirComponent'
      Guid='YOURGUID-6304-410E-A808-E3585379EADB'>
    <WebVirtualDir Id='TestWebVirtualDir'
        Alias='Test' Directory='InstallDir'
        WebSite='DefaultWebSite'>
      <WebApplication Id='TestWebApplication' Name='Test' />
    </WebVirtualDir>
  </Component>

</Directory>

最後に、ウェブ・サイトを参照するエントリを作成します。

<WebSite Id='DefaultWebSite' Description='Default Web Site'>
  <WebAddress Id='AllUnassigned' Port='80' />
</WebSite>

インストーラ・パッケージをリンクするときは、適切な WiX ライブラリとリンクしなければなりません。 リンカに複数の WiX オブジェクト・ファイルを渡しますので、出力ファイルの名前も指定しなければなりません。

light.exe -out SampleWebDir.msi SampleWebDir.wixobj path\sca.wixlib

完全な SampleWebDir をダウンロードすることが出来ます。

訳註:上記は WiX 2 の IIS 拡張に基づくものであり、WiX 3 には適用出来ない所があります。 また、提供されている SampleWebDir も、そのままでは、WiX 3 でビルド出来ません。

(1) WiX 3 では IIS 拡張が独立の名前空間に移動されたために、Wix 要素で IIS 拡張のスキーマを参照する必要があります。

<Wix xmlns='http://schemas.microsoft.com/wix/2006/wi'
     xmlns:iis='http://schemas.microsoft.com/wix/IIsExtension'>

同様に、IIS 拡張に属する要素には IIS 拡張の名前空間の修飾が必要です (iis:WebVirtualDir, iis:WebApplication, iis:WebSite および iis:WebAddress)。

(2) WiX 3 では IIS 拡張は sca.wixlib ではなく WixIISExtension.dll で提供されています。 コンパイラおよびリンカのコマンド・ラインにおいて、”-ext WixIISExtension” を指定する必要があります。

WiX 3 に対応した日本語版 Sample-5-4-WebDir.zip を参照して下さい。

なお、WixIISExtension の日本語地域化ファイルは(まだ)提供されていませんので、 “-cultures:ja-jp” を指定する場合は、日本語地域化ファイルを自分で書く必要があります。

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Table of Contents

1 始めよう

  1. ソフトウェア・パッケージ
  2. 中に入るファイル
  3. 使用に供する
  4. 便利な追加機能
  5. どこにインストールするか
  6. 条件付きインストール
  7. ファイルだけでなく
  8. 削除時の孤児化

2 ユーザー・インタフェイス

  1. 最初のステップ
  2. カスタムの設定
  3. UI の魔法
  4. 英語はわかりますか
  5. チェーンの新しい環
  6. 地域化を考える

3 イベントとアクション

  1. 列に並んで
  2. 追加のアクション
  3. 本に書かれていないこと
  4. コントロールをコントロールせよ
  5. マネージする方法
  6. 後の段階で

4 アップグレードとモジュラー化

  1. 古いのを探す
  2. 自分自身を置き換える
  3. パッチワーク
  4. 断片
  5. 融合するもの

5 Net と .NET

  1. .NET の枠組み
  2. ブートストラップ
  3. インターネットを起動する
  4. ウェブ・ディレクトリ
  5. サービスの提供

6 COM、式の構文、その他

  1. 違う色のコンポーネント
  2. 式の構文
  3. 書式指定文字列
  4. DDE 接続
  5. ディレクトリの作成
  6. 複数メディアのインストーラ
  7. プログラムの追加と削除の項目
  8. 新顔のユーザー
  9. 環境に優しく
  10. XML
  11. COM+ アプリケーション
  12. バージョンごとに

7 SQL

  1. データベースを作成する

8 ユーザー・インタフェイス再び

  1. 一つだけのダイアログ
  2. チューニング・アップ
  3. 相互作用
  4. カスタマイズがいっぱい
  5. これが進捗ですか
  6. よく出来ました
  7. 法律用語
  8. 順番外
  9. 英語はわかりませんか

9 トランスフォーム

  1. インストーラを変形する

10 標準ライブラリ

  1. カスタム・アクションとユーザー・インタフェイス
  2. お静かに願います